からたちサロン14
Glanzが天職  夢を追いかけて
◇井原恵津子(24期)

オフィスグランツ代表
研修講師&
ビジネスコーチ

 井原恵津子さん(24期)は産業界、教育界、医療福祉分野での長年の研修実績から、教育プログラムの企画提供や人材育成コンサルタントなど幅広くご活躍です。最近では「家庭の中心となる親のありかた、親として学ぶべきこと」など親学(おやがく)を積極的に推進されています。
 秋の支部総会でお会いして、馬術部ご出身とお聞きしびっくり。HPへのリンクと本サロンに出馬をおねがいしました。
 駿馬はいつまでも凛と輝いています
(紹介者;サロンマスター高田敬輔)


空へのあこがれ
 馬術部で馬の世話に明け暮れていた高校2年生の時、「アテンションプリーズ」という「スチュワーデス物語」のテレビラマの影響を受け、海外とスチュワーデス(この呼び方はもう死語になってしまいましたが)への憧れから、JALに入社し、1975年〜1978年まで国際線の客室乗務員として、3年間乗務しました。

  客室乗務員になるための5か月にも及ぶ訓練は、テレビのドラマ以上に厳しく、毎週のように試験に追われる日々でしたが、今にして思えば、茶道、ウオーキング、メイク指導、着物の着付け(当時はフライト中トイレで着物に着替えてファーストクラスのサービスを担当)、英会話、言葉遣い(接客会話以前に金沢弁を矯正するのに苦労しました!)、立ち振る舞い、ファーストクラス向けの食事サービスの仕方など多彩な講師陣による一流の教育・訓練を受けられたことは、一人の働く女性として一生の宝物となっています。
 1970年代は、ハイジャック全盛期の頃で、その上モスクワ、ニューデリーとJALは飛行機墜落事故が続いたこともあり、乗務員はお客様の安全と生命を守るために、「身体を張る」そんな責任感と使命感、プロ意識を訓練期間中に徹底的にたたきこまれました。現在存亡の危機に喘いでいるJALですが、私自身が教育する側の立場になって見ると、その教育の斬新さ、手間暇かけた贅沢さ、厳しさに改めて驚かされます。
 その華やかだった職場をわずか3年で結婚退職し、その後は専業主婦として12年間子育て中心の生活を送りました。当時は「結婚=退職=専業主婦」というのが女性の結婚観として当たり前だったこともあり、ようやく苦労して手にした「憧れの仕事」でしたが、簡単に辞めてしまったことへの後悔が、心の奥底にずーっと「未完了感」として残っていたのでしょうか。子育てが一段落したのを機に、再び自分の可能性にチャレンジしたいという想いに駆られ、派遣スタッフとして外資系の証券会社の総合受付の仕事を経て、ビジネスマナー講師という新しい未知の領域の仕事に就くことになりました。

◆コーチングとの出会い
 私が再スタートを切った1990年代の日本社会は「量から質」へ変化し始めた頃でした。サービス向上が叫ばれ「CS(顧客満足)」が注目を集めていて、企業や行政からサービス教育研修の依頼も多く、目の前に与えられた仕事にただ必死に取り組む毎日でした。しかしながら、時間が経つにつれ、時間的にも能力的にも余裕がなくなり、家族との時間を犠牲にしながら仕事に追われる生活にふと疑問を感じ始めていました「これが本当に望んでいた私の人生かしら?」と。

 「コーチング」と出会ったのはそんな時でした。「コーチング」は「人のやる気や能力を引き出すコミュニケーションスキル」として、今では企業の管理職教育では「部下の指導育成」のためのマネジメントスキルとして一般的になってきています。私がコーチングを学んで一番影響を受けたのは「人の(自分の)可能性を信じる」「その人に必要な答えはその人の中にある」という考え方。コーチングプログラムを通じて自分の強み・弱み・価値観・将来のありたい姿など多角的な視点から自身を徹底的に棚卸し、自己理解を深めていくうちに、目の前の霧が晴れるように、自分の進むべき道がはっきりと見えてきたのです。まさに、私が求めていた「答え」は私の中にあったのです。その結果、13年間お世話になった会社を辞め、40代後半からフリーの講師として独立し、新たなフィールドで再々チャレンジ。その時に考えたオフィス名の「Glanz(グランツ)」はドイツ語で「磨き・輝き」という意味があり、人の持つ内なる「輝き」を引き出し、夢や目標をサポートしたいという想いが込められています。この仕事に就くようになって20年目にしてようやく今、人の可能性を高め、成長を促し、自らも一緒に成長していける研修講師&ビジネスコーチという仕事が私にとって「天職」と思えるようになりました。かなりの遅咲きですが・・・。

◆「親学」普及への新たな想い
 そしてこれも偶然ですが、子育てに関する講演の依頼を引き受けたことがきっかけとなって、今はライフワークとして「親学」の普及にも取り組み始めています。というのも、企業の人材育成の仕事に携わっていくうちに、人間関係の原点である「親子関係」の大切さを痛感するようになったからです。「親学(おやがく)」とは、すでに親である方に限らず、これから親になる方に対しても、親とは何か、親に求められることは何かなど、親として学ぶべき大切なことを伝えるもので、「親が変われば子供は変わる=主体変容」という考え方を基軸に、親としての学び、成長をサポートしていきます。現在「親学養成講座」の第4講座「親子のコミュニケーション」を担当していますが、ビジネス界で培ってきた人材育成のノウハウや私自身の子育て、孫育て(現在、二人の孫育ての真っ最中!)の経験を活かし、私の新たなチャレンジは、これからが本番です!

 
※親学推進協会ホームページ
 
http://www.oyagaku.org/


写真1.JAL訓練所の卒業記念写真です。
160期の同期は全部で21名。左から8番目が私です。(当時はまだ18歳!)  大卒、短大卒、高卒の混合クラスで年齢や学歴の差も考慮されず同じ訓練 と試験を受けました。無事全員が国際線客室乗務員として合格、懐かしい集合 写真です。前列に座っている方々は、厳しくも使命感に燃えた教官たちです。

写真2 名古屋での「親学」講座風景です。私が担当しているのは、第4講座
「親子のコミュニケーション」がテーマです。講座は、演習を交え参加者の方々と双方向のコミュニケーションを取りながら進めていきます。 詳しくは親学推進協会HP で紹介しています。
◇プロフィール
二水高校(24期、昭和47年卒)―昭和47年日本航空鞄社 国際線客室乗務員として3年 間乗務。12年間の専業主婦時代を経て、派遣スタッフ として外資系証券の総合受付を担当。 翌年、マナー講師として デビュー。その後研修会社で13年間主任講師として営業・企画・新人講師育成に携わり、 2001年独立し、オフィス・ グランツを設立。  現在、産業能率大学総合研究所兼任講師、PHP研究所講師、 りそな総合研究所講師、親学推進協会講師として、活動の場を広げている。
井原恵津子HP: office glanz(グランツ、輝き)
           
http://www.glanz-ihara.com/



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