平成28年度の総会と懇親会を下記のとおりご案内します。
今年の会場は、神田淡路町(JR、東京メトロ・都営地下鉄など6駅が利用可能)
にあります、お茶の水ホテルジュラクです。

秋の一日様々な世代の同窓生と懇親を深めてください。

<開催概要>

◇総会、懇親会
日時 平成28年9月24日(土) 13時~17時
12:00 受付開始
13:00-15:00 開場、総会、講演
講演者:今井清博様
(二水関西支部 支部長 元法政大学教授)
タイトル:【健康食品を科学する】
科学的な分析と考察に基づいて、消費者とメーカーの思惑のギャップについて優しく解説して頂きます。
また、日本人が何故[ニセ科学]に惑わされるのかについても言及されます。
15:00-17:00 懇親会
場所 お茶の水ホテルジュラク
  東京都千代田区神田淡路町2-9
 宴会直通電話;03-3251-0461
会費 8,000円 (学生 3,000円)
会場へアクセス
 最寄り駅 
  JR        御茶ノ水駅より 徒歩2分
            秋葉原駅より 徒歩6分
  東京メトロ     新御茶ノ水駅 徒歩2分
            淡路町駅 徒歩4分
  都営地下鉄     小川町駅 徒歩4分
  つくばエクスプレス 秋葉原駅 徒歩10分
toho_02
お茶の水ホテルジュラクHPより転載(←ホテルHPにリンクしています。)
  JR    御茶ノ水 駅「聖橋口」より徒歩2分
        (中央線・総武線)
       秋葉原 駅「電気街口」より徒歩6分
        (山手線・京浜東北線)
  東京メトロ 新御茶ノ水 駅「B2出口」より徒歩2分
        (千代田線)
        淡路町 駅「A5出口」より徒歩4分
        (丸の内線)
  都営地下鉄 小川町 駅「A5出口」より徒歩4分
        (都営新宿線)
  つくばエクスプレス
        秋葉原 駅「A1出口」より徒歩10分
        (つくばエクスプレス)

◆参加お申し込み:インターネット上にお申し込みフォームをご用意いたしました。
         下記のよりお申し込みください。

      お申し込み

   また例年通り、「からたち」同封のはがきに必要事項を記載の上
   52円切手を貼って投函いただいても結構でございます。

◆お問い合わせ先
  ○E.mail: info@nisui-kanto.org

◆参加者名簿
 お申し込み、ご連絡を頂いた方の参加(不参加)の
      名簿(期、氏名のみ)を掲載しております。ご活用下さい。

      参加者名簿の閲覧

※なお、お名前の掲載についてご希望のある方は、
         info@nisui-kanto.org
     (Web管理担当宛)まで、メールにてお知らせ下さい。

beerparty2016

二水関東支部恒例となりましたビアパーティ。今年で5回目となりました。
真夏のこの時期に老若男女を問わず、同窓生が
集まってワイワイやろうとの趣向です。同級生同士お誘いの上、お気軽にお越しください!
皆様にお会いできるのを楽しみにしております!

【日時】 7月27日(水)18時30分〜20時30分
【場所】 アパホテル〈新宿御苑前〉(東京都新宿区新宿2丁目2-8)
     1F ステーキ&ハンバーグ匠
  アクセス http://r.gnavi.co.jp/305a5p8s0000/menu2/
        丸ノ内線「新宿御苑前駅」
                (1番出口)徒歩1分
        丸ノ内線・副都心線、都営新宿線「新宿三丁目駅」
                (C5出口)徒歩4分
        JR「新宿駅」(中央東口)徒歩9分

【参加費】 4,500円(税込)

  ※バーベキュービュッフェ食べ放題、生ビール、赤白ワイン、
   芋麦焼酎、ハイボール等飲み放題

お申し込みは https://ws.formzu.net/dist/S89127376/

nisuiongakusai2016

こんな贅沢なコンサートがあるなんて!(第1・2回のお客様の声です)
今回もまたまた有り得ない! ご出演の皆様のご厚意で、こんな組み合わせが実現しました。
●日本・イタリアのコンクールで軒並み優勝し続けている圧倒的な迫力と華麗な
ソプラノの美声
●洗練されていながら素朴なエネルギーを秘めた北欧ケルト音楽のバンド演奏
●日本のジャズ・ポピュラー音楽界の大御所が期待を込めてサポートするジャズ
ボーカル
●哀愁漂う二胡の調べと素朴で明るいウクレレのアンサンブル

  日時:平成28年6月11日(土)13時半開演
         (13時開場)
場所:代官山ヒルサイドテラス・バンケット
料金:参加費3,000円+ソフトドリンク500円

※会場へはどなたでもご参加いただけます。お申し込みはこちらまで

  https://ws.formzu.net/fgen/S55851356/

古き良き日本文化を今日に伝える古都金沢と、「自由・明朗・闊達・・・」の校風とに
育まれた金沢ニ水高校同窓生。それぞれ全世界の各分野で活躍しています。
その中でも音楽コンクール全国大会で常連の合唱部や吹奏楽部等の卒業生を中心にした、
音楽界で活躍する同窓生もたくさんおります。
この音楽祭では、プロ・アマを問わずこうした二水同窓生の出演、演奏を通して、
古き伝統文化の中だからこそ育まれた新しい感性と力そして喜びを、首都東京の地で
表し伝えていきたいと存じます。

出演(敬称略)
◆竹多倫子(54期:ソプラノ)+石塚幸子(ピアノ伴奏およびソロ演奏)伸びやかで透明感ある声質、圧倒的な声量と正確な歌唱テクニックで、日本・イタリアの音楽コ ンクールで優勝多数。権威ある日本音楽コンクールの第82回声楽部門(オペラアリア)第1位を 経て、文化庁からイタリアに1年間派遣され修練を積む。帰国して間もない中でその成果を披露 していただきます。
◆ヨハンソン・サーガ(染村和代:36期 )「絵本を読み聞かせるような気持ちで、歌と音楽を届ける」というコンセプトの下に集った五人組、Johansson Saga。様々なジャンルで活躍するメンバー達が、「北欧トラッド」というフィルタを通して紡ぎ出す世界観と音楽
◆明石小百合(35期 ジャズボーカリスト)+小野孝司(ジャズピアニスト)山梨県甲府市在住。主にライブハウス等で活動。スタンダードジャズをピアノ、ギター等の伴奏で歌う。第1回では世界のトップジャズベーシスト鈴木勲氏がサポート演奏。今回もかつて美空ひばりのバック演奏もされていたジャズピアニスト小野孝司さんが共演されます。
◆今川久美(31期:二胡)+門口欣也(31期:ウクレレ)今川さんは昨年二胡演奏グループ「麻花儿」を率いて出演していただきましたが、今年は同級生であり吹奏楽で活躍されて来た門口さんのウクレレと共演されます。

印刷用チラシはこちら→第3回二水音楽祭_in_Tokyo告知
第3回二水音楽祭_in_Tokyoチラシ

主催:二水関東(金沢ニ水高校同窓会関東支部) http://nisui-kanto.org/
お問い合わせ先:ongakusai@nisui-kanto.org

東京薬科大学教授をされていた31期生の谷 佳津子さんが3月27日に急逝されました。
4月27日に大学で「谷 佳津子先生を偲ぶ会」が挙行されていたとの
13期 安田 寛 さんからお知らせいただきました。

−−
谷 佳津子さんは二水高校卒業後、
金沢大学理学部化学科にて生物化学を専攻し(片桐研究室)、
研究者としての道を歩み始めていました。(大学での同窓・同門にもなります)
 
以下に、「偲ぶ会」に参列した片桐研の門下生からの報告をそのまま記します。
正面に遺影が据えられた生花の祭壇に向かって無宗教による、故人を偲ぶしめやか
な会でした。
開会の辞、黙祷に続いて挨拶(生命科学部長 都築先生)があり、以下の順にお別
れの言葉が 述べられました。東京薬科大学長、同僚代表(萩原 明子 准教授)、
所属研究室員 (馬場 崇 助教)、門下生代表(佐藤 精一 北大・助教)、
所属研究室の学生・院生代表(丸山 智弘 D2)、
そして 締めくくりとして、東京大学応用微生物研究所在職時からの同僚であり、
生命科学部 での共同研究者 でもある多賀谷 光男 教授から、
ご逝去に至る若干の経緯に続いてスライドを用いて、谷 先生の業績と
横顔が紹介されました。
この紹介の初めに、学歴の項で二水高校と金沢大学片桐研究室の出身であることが
明示されました。
最後に、ご遺族からの挨拶があり、続いて故人のピアノ演奏(ヘンデル作曲サラバ
ンド)および学術会議に対応する為の英語の練習の模様を録音したCDの音声が披露されました。
その後、遺族を筆頭に、学長を始めとする大学関係者、名誉教授陣、研究室関係
者、そして一般参会者の順に献花を行い、故人との最後の別れを惜しみました。
    (by K.H.)

谷さんは、数多くの学術論文を発表され、Invited Reviewsも書かれており、国際的
な一流研究者として高く評価され、教育者としても敬愛されていたようです。

検索して知れば知るほど、素晴らしい研究者であったことが判り、
誠に残念至極な思いです。 合掌

彼女の功績を同期生・同窓生の皆さんに知って頂ければと願って、このメールをお送
りします。
  安田 寛(13期生)

追:彼女の主要な研究業績のPubMed掲載サイトを以下に記します。 
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26428302
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24599962
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21768384
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22279616
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25436551
  これらのサイトから、論文・総説の全文を誰もが無料でコピーすることも出来ま
す。

二水同窓会関東支部の恒例行事として毎年ご好評を博しております「井の頭宴遊会」の季節が
近づいて来ました。これまで、何度かご参加の方はもちろんのこと、
今年始めて参加なさるかたもまた、都内有数の桜の名所である井の頭公園に隣接した
会場にぜひお越しになりませんか?

日時:3月26日(土)
受付 12時半 、開会 午後1時

場所:鳥良吉祥寺4号店
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-21-1 井の頭パークサイドビル Tel. 0422-48-4600

会費:3,500円(飲み放題付) 予約名 二水関東

◆ご参加お申し込みは

 こちら→ https://ws.formzu.net/fgen/S33327314/ を
クリックしてお申し込み頂くか、

以下のメールアドレスに

    inogashira@nisui-kanto.org

まで、お名前と卒業期(年でもOK)をお書きになり下記までメールに
てお願いいたします

現在参加お申し込みの方々の名簿を
  こちら  からご覧いただけます。
120331inogashira25.jpg
(写真は、以前の井の頭宴遊会の写真です。)

平成27年度の関東支部総会は、
平成27年10月24日(土)渋谷エクセルホテル東急で
開催されました。

総会

講演 24期 井原恵津子 さん
   「Glanzが天職 夢を追いかけて」

休憩

懇親会

南部健一(13期)
13期 南部健一 さんから
ご自身が創作なさった朗読劇の脚本を寄稿頂きました。
◇南部健一(13期)
東北大学名誉教授

北上川_二水関東_1
11月に上演した朗読劇「無心の愛」の脚本を寄稿します。
脚本はすべて私の創作したものです。
仙台市泉地区吟詠発表会で11月23日に上演しましたが、なかなか好評でした。

司会者の作品紹介は、次のようなものでした。
『人はみな2つのふるさとを持っています。1つは生まれ育った村や町など、
 実際のふるさと。もう1つは心のふるさと、すなわち青春時代です。
 この物語では2つのふるさとが微妙に交錯します』

写真は劇の舞台となった、北上川のイギリス海岸(宮澤賢治の命名)で、
花巻温泉から近いです。

南部健一(13期生)

朗読劇 『無心の愛』

朗読劇 『無心の愛』  
作 南部健一 (13期) 
配役 青木(作者)、祐子(三原蘭岳)、朗読(藤村英風)

 昨年10月、青木は花巻温泉で開かれた吟詠大会に参加した。盛岡に住む高校時代からの友人祐子から誘いの手紙が来たのである。青木と祐子、祐子の夫木村武史は、大学時代親しかった。
もう40年前のことになる。卒業式の夜、祐子が青木のアパートを訪ねて来た。いっこうに用件を切り出さず、零時を過ぎたころだった。
「私、木村君にプロポーズされているの。でも迷っているの」
なぜ迷うのか、青木には分からなかった。青木も祐子を愛していたが、彼は、木村と祐子が恋仲だと知り身を引いた。祐子の言葉に青木は動揺した。古いストーブを挟み、二人は無言のままうつむいていた。思いつめたように祐子が言った。
「今夜は、ここに泊めてください」 
それでも無言の青木を見て、子供のように泣き出した。青木は祐子の一途な思いを知り、心が乱れた。1 時を回ったときである。青木は冷たく言い放った。
「君を愛している。しかし木村を悲しませることはできない」
二人は黙したまま、時間だけが過ぎていった。午前2時、祐子が言った。
「一つだけ約束して。毎年一度だけ手紙を書きます。必ず返事を下さい」
約束は守ると言う青木の言葉を聞き、祐子は帰り支度を始めた。
二人でアパートの玄関を出ると、吹雪がうなり声を上げていた。風に吹き倒されないよう、青木は祐子を抱きかかえて歩いた。祐子は何度も立ち止まって青木にすがりつき、「帰りたくない」と声を上げて哭いた。しかしその哀切な願いは、風にかき消された。
 あれから40年、一度も欠かさず、晩秋には祐子から一通の手紙が届いている。3年前の手紙には、夫が心筋梗塞で亡くなった、とあった。今年の手紙で初めて、祐子が青木に会うことを望んだのである。なぜなのか、青木には見当もつかなかった。

 吟詠発表会場のロビーは人々であふれていた。青木を見つけた祐子は、人ごみをかき分け走り寄って来た。着物姿だった。道行は、竹堂の近江八景を絵柄にした千總の友禅だった。琵琶湖の湖面を這う松の枝が、霧に消える絵柄であった。青木は祐子の美しさになぜか不吉な予感がした。
「青木さん、本当におひさしぶりです」
「40年ぶりですね。私の顔が分かりましたか」
「あなたは変わっていないわ。今夜はゆっくりお話ししたいの。夕食はご一緒しましょう」
祐子はつとめて明るく振る舞っているように思えた。しかし穏やかな瞳の奥に、時おり深い悲しみがのぞくのはなぜなのか。
「夫も子供もなく、今の私は趣味の詩吟が支えです」
「今日は、青木さんは何を吟題に選んだの」
「祐子さんとは故郷が同じ金沢で、二水高校でも一緒でした。だから、あの時代を偲んで室生犀星の『犀川』を選びました」
「そうですか。それは楽しみですね。あのころが懐かしいわ」
まもなく青木がステージに立ち吟じ始めた。

 うつくしき川は流れたり
 そのほとりに我は住みぬ
 春は春、なつはなつの
 花つける堤に坐りて
 こまやけき本のなさけと
 愛とを知りぬ

祐子は思い出していた。高校3年の5月、青木に誘われ犀川の河口を訪ねたことを。そこには、アカシアの白い花が咲き乱れていた。頭上から降り注ぐ甘い香りに包まれ、祐子は恋の予感に胸を熱くした。

「そろそろ私の出番だわ。聴いて下さいね」
 祐子が登壇するとステージが花やぎ、会場がざわめいた。吟題は良寛の「無心」だった。

 花は無心にして蝶を招く 蝶は無心にして花を尋ぬ
 花開く時蝶来たり 蝶来たる時花開く

祐子の艶のある声は美しく、吟は、人の世の無常を感じさせた。
自己と他者の関係は無欲がいい、と言うのが良寛の考えであろう。なぜ祐子は「無心」を吟題に選んだのか。男と女が毎年たった一通の手紙で40年間心を通わせる、これを祐子は「無心の愛」と考えたのではないか。
 
 夕方二人はホテルのレストランで待ち合わせをした。岩手の冷酒をくみ交わし、青木は祐子の言葉を待った。
「今日は、どうしてもお会いしたかったの。来ていただいて嬉しいわ。あなたの吟詠「犀川」、涙がこぼれました。昔、二人で見上げたアカシアの花を思い出したの」
「白い花の房が風に揺れていましたね。はっきり覚えています。ところで、今日は、なぜ『無心』を吟題に選んだのですか」
「仲間から、花と蝶は誰をイメージしているのかって、ひやかされました。今夜は私とあなたにしておきましょう」
祐子は軽口をたたいて、はぐらかした。そして顔色も変えず
「これがお会いできる最後になるわ。医師から余命六ヶ月の宣告を受けているの。癌が転移したらしいの」
「抗がん剤でやつれ、あなたに会えない姿になるくらいなら、命は惜しくないの」
青木は信じがたかった。
「この千總の友禅はお棺に納めてほしいって、遺言してあるの」
「人は、命の限りを知ると、愛する人の顔を毎日思い浮かべるものよ。そしてその人に会って、悔いなく灰になりたいと思うの。私は、私が愛したただひとりの人に会い、命の幕を下ろしたいのです」
青木はうつむいて涙をこらえた。

 レストランは閉店になった。二人は青木の部屋で呑み直すことにした。日本酒が好きな二人は、それぞれ好みの酒を用意していた。青木が日高見を取り出すと、祐子は自分の部屋から、あさ開のひやおろしを持ち帰った。
青木のグラスに酒をつぐと祐子が言った。
「今夜は呑みましょう。あなたと私の最後の夜だから」
二人はグラスを重ねた。祐子は酔い、白いうなじが桜色に染まったが、背筋が伸びた美しい姿は、昔のままだった。
午前二時になった。カーテンを少し開けると西の空に月が輝いていた。二人は寄り添い月を眺めた。同じ月が二人の故郷、金沢の夜空にも輝いていると思うと、青木は望郷の念にかられた。青木の心を察した祐子は李白の「静夜思」を吟じ始めた。

牀前月光を看る 疑うらくは是れ地上の霜かと
頭を挙げて山月を望み 頭を低れて故郷を思う

「今夜の月は特別美しいわ。あの辛かった吹雪の夜のこと、許してあげようかな」
祐子は笑いながら青木をにらんだ。そして二人はまた酒を酌み交わした。
「楽しかったわ。でも私、酔いました。今夜はこの部屋で休ませてね」
「どうぞ、祐子さん」
「嬉しいわ。40年前は追い出されたわ」
祐子は大げさにバンザイをした。青木は胸が痛んだ。青木は、酔った祐子に肩を貸し、ベッドに寝かせた。そして自身に問いかけた。
「今夜は冷えた体を暖め合って一緒に眠るのが祐子の望みかもしれない。しかしそれは酒に酔った上での一時の気の迷い。そのような行為は、祐子が望んで来た『無心の愛』とは相いれないのではないか」。
結局青木は、ソファで眠ることにした。そして、この距離こそ、四〇年続いた無心の愛にふさわしいと思った。祐子はすぐ眠りについた。安らかな祐子の寝顔を見て安心し、青木は望東尼の和歌を静かに吟じた。

をしからぬ 命ながかれ 
桜ばな 雲居に咲かん はるを見るべく

吟が終わると、眠っていたはずの祐子の目から涙がこぼれた。青木はハンカチで祐子の涙をぬぐった。限りなく愛おしかった。青木は思いがあふれしばらく眠れなかった。

翌朝二人は、北上川のイギリス海岸に向かった。堤防から見下ろすと、川は渦を巻いて勢いよく流れ、ふるさとの大河、犀川の、蒼い波をたたえていた。その時である。桟橋の方で人声がした。昨日の吟詠大会に金沢から参加した一行が、室生犀星の『小景異情』を合吟し始めたのであった。

ふるさとは 遠きにありて 思ふもの
そして 悲しく うたふもの
よしや うらぶれて 異土の乞食と なるとても
帰る ところに あるまじや

切々たる望郷の調べが身に沁み、祐子は泣いた。青木は祐子を抱きよせ、目を閉じて朗々たる吟にひたった。一行の合吟が終わると、祐子は青木を見つめ、涙もふかず、「ありがとう」とつぶやいた。これが祐子の最期の言葉となった。

翌年はいつもの晩秋がすぎ、さらに雪が降っても、祐子から手紙が来なかった。それは、無心の愛に生きた祐子が、千總の友禅におおわれて、永遠の眠りについたことを物語っていた。
 


岡本るいさん

調布市民文化祭 演劇祭
                (入場無料)

朗読構成劇 「蜜柑」「蜘蛛の糸」

11月7日(土)  2時・6時開演
調布市文化会館たづくりくすのきホール(調布駅徒歩2分)

作・芥川龍之介
構成・演出
   岡本るい(小澤匡子)17期
出演
   深澤誠・岡本るい
演奏
   ロッサ
   田中一夫(ギター)29期   
   渡辺かおる(バイオリン)

お問い合わせ 劇工房虹舎事務局(小澤) 03−3430−8894