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今回は編集者自ら登場させていただく。デジカメも1眼カメラが廉価になり、写真を趣味とする人々もさらに増え、誰もが何とか上手になりたいと思う。母校初代バトミントン部で全国制覇に導いた元教頭の故森川憲三先生は80才からNHKの写真講座を受講し、何度も優秀賞を得、NHK会長から生涯学習賞まで受賞された。 平成14年5月、小将町常福寺で先生に「森川憲三生涯学習写真展」を開催していただき、30点ほどの作品と100点を超える添削記録を披露いただいた。写真展開催してからはや10年たった。・・・写真は今もWebから見ることが出来る。 このWebを見るだけでも写真への興味と自信が涌く。 先生は平成19年100歳の天寿を全うされたが、本稿とWeb公開に協力いただいたご長男の森川宏さんに感謝します。 (編集者;高田敬輔) |
◇高田敬輔(10期)二水高校同窓会 前関東支部長 |
恩師、数学の森川憲三先生は二水開校以来昭和37年まで在任された。私は昭和30年の1年生と次年2年生のときの学級担任いただき、卒業後も時々笠舞のご自宅にもお邪魔したことがあった。家族が成長すると帰省の機会も減り、お会いすることはほとんど無くなったが年賀状だけは続けていた。
2000年に定年退社となり、コンサルを開業しはじめたところ県からお誘いがあり、産学官連携研究開発事業を支援するため2002年1月から金沢に単身生活をすることになり、久々に先生宅を訪問した。 先生は昔のままお元気で部屋には沢山の写真が飾ってあり、80歳から始めたというNHKの写真生涯学習通信講座の沢山の作品と添削記録を見せられ、NHK会長より生涯学習賞を受賞したことまでお話いただいた。
通信講座は毎月の2枚の写真を提出すると講評が帰ってくる。優秀作品は機関誌に掲載されていた。私は作品もさることながら、80歳を超えてから、なおも通信講座を続けている先生の熱心さに感動し、このことを皆に伝えたいと、写真展を構想した。
先生は初代バドミントン部の部長をされていたので、まず、母校のバトミントン部コーチをしていた片町の老舗下駄屋・奥村明義君(10期)に相談したところ、全国大会を制覇した時の選手で小将町の常福寺17世住職北方匡さん(8期)を紹介いただいた。 森川先生は常福寺の檀家でもあった。その前年、住職は寺の一角に「北方心泉記念館」を開館し、ミニコンサートのできるくらい多目的ホールも備えたばかりだったので、そこを会場にお借り出来た。
会場のレイアウト等は尾張町近岡写真館の近岡房治社長(11期)が引き受けてくれ、入賞作品30数点が飾られ、中央机には100点近い添削記録が用意された。
二水同窓会には当時副会長の竹下栄子さん(8期)を通じて後援をお願いし、通信講座を主宰する国立市にあるNHK学園も訪ね、趣旨を説明して後援戴いた。 広報は案内はがき1000枚を関係先に配り、同窓会、奥様のコーラス仲間である「高砂合唱団」にも協力戴いた。
平成14年5月15日から19日の5日間、同窓会、バトミントン部有志に会場当番をお願いし、500人以上の来場者があり、先生も連日、来られた方々に丁寧に挨拶と説明されて、好評里に無事終了することが出来た。
特筆すべきことが二つある。 NHK金沢に報道をお願いしたところ、若いキャスターがひとりで取材と撮影に来た。
確か週末の「ギャラリー紹介」の時間に10分間放映された。
キャスターは4月に入局、金沢放送局に配属されたばかりの亀井和恵さん(49期)だった。二水生だったこともご縁だが、取材からナレーション、画像編集まで番組制作のすべてを任せるNHKの新人教育も立派と感心した。
写真展が終了して6ヶ月くらい経った頃、山田捷二君(13期)がホームページを作ってくれることになった。
このHPは今もWeb検索するとリンクできるようになっている。
◆森川憲三生涯学習写真展;http://shoji16.web.fc2.com/ga-morikawa/index.html
先生は平成19年夏100歳の天寿を全うされたが、いまもWebを通じて「写真の楽しみと高齢時代の生き方」を教えてくれる。(合掌)
<作品の解説>
牡丹 平成7年(88歳)
説明; 花と光線の最も良い時を狙ってみました。
講評; サンルームのガラス越しの光りでしょうか、やわらかい晩春の明るさが全体にまわり、強い影もなく、白からピンクへのぼかし染めのような重なった花弁、中心部の鮮やかな黄色と虹紫色、それぞれがうまく表現されました。バックが暗く落ち、濃緑の葉がしっかりと主役を支え、浮き立って見え効果的です。
雪降り 平成5年 (86歳)
説明; 兼六園で成人式帰りの娘さんたちと降る雪の美しい光景に遭遇しました。
講評; 兼六園の雪つりの松が降り積もる雪に点描写のようにバックを見せていて面白いですね。その中の色とりどりの傘を差した人が4人。何やらお話が展開しそうな人たちが降りしきる雪のベールを通じておぼろげに見えてくるのが魅力です。
◇高田敬輔プロフィール | |
押野中学―二水高校(昭和33年卒10期生)―金沢大学工学部(昭和37年)―㈱東芝 2000年定年退社ワイズ福祉情報研究所設立、石川県研究事業コーディネータ、金沢工大非常勤講師等歴任、 現在、金沢二水高校同窓会関東支部長、ブログ「平成・技士道」を通じて、若い技術者にエールを送る。 |
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高田敬輔一ブログ「 平成・技士道 」http://wiselabo.air-nifty.com/ |